コンセプト

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設立の経緯

整形外科医で米国公認足装具士でもある銅冶英雄医師の監修のもと、装具の専門家である義肢装具士と、フィッティングのプロであるシューコーディネーターが集まりました。お客様の声を傾聴しながらトータルでサポートする“トータルコンタクト”なサービスを提供する、日本で初めてのコンセプトのシューズ・ショップです。

コンセプト

医学的な問題がある方には、同じビルにある「お茶の水整形外科」に紹介し、足の病気がある場合は健康保険でインソールや靴を作ることもできます。また、ソファーや枕など生活に役立つオリジナルな製品も開発していきます。

推薦の言葉

はじめに

日本では靴文化の歴史が浅いせいか、足部への関心が薄く、ひざや足腰の痛みの原因が足部にあると疑う人は、あまりいません。靴を履いて立ったり歩いたりすると、窮屈な靴の中で、足部にはさまざまな方向から圧力がかかり、それが長年くり返されるうちに、靱帯や筋肉が衰え、骨や関節に変形が現れるのです。
では、靴文化が古くから定着している欧米はどうなのでしょうか。例えばドイツでは、ゼロ歳から足部の健康診断を行って異常の有無を調べ、適切な靴を履かせます。これは、小さいころから足部の異常を察知して対処すれば、将来、足腰の異常を防ぐことができると考えられているためです。

米国式足装具学

整形外科医である私が足部の重要性に気づいたのは、今から一五年以上前のことでした。私は当時、千葉大学附属病院の足の外科外来で、足部の手術を主に担当していました。そこでは、足部の変形だけでなく、足部が原因でのひざ痛や腰痛に悩む患者さんがおおぜいいました。そうした診療経験を通じ、足部の問題について学ぶ必要性を痛感した私は、米国に留学し、「足装具士(ペドーシスト)」という米国の公認資格を日本の整形外科医として初めて取得しました。私が、日本の整形外科医として初めて資格を取得した米国公認の足装具士(ペドーシスト)とは、医療用の靴や中敷き(インソール)を作る専門家です。米国では、糖尿病の合併症で足壊疽を起こしたり、肥満のせいでひざ痛を招いたりする人が多く、靴や中敷き(インソール)など、足専門の装具を製作する足装具士が病院に常駐しているところもあります。

足と靴の外来

帰国後は、お茶の水に整形外科クリニックを開いて「足と靴の外来」を開設し、患者さん一人ひとりの足の形状に合ったオーダーメイドの靴やインソールを義肢装具士と共同で製作できる体制を整えました。足と靴の外来では、まず患者さんの足の症状をくわしく問診し、何が問題なのかを把握します。そして、足部の変形や足裏のタコの有無を触診し、立ち姿勢や歩行を視診します。次に、レントゲンや必要に応じてMRIなどの検査をおこない診断を確定します。以上の結果から患者さんの足の病態に応じて、適切な靴やインソールを処方し、専門の義肢装具士に製作してもらいます。靴やインソールができ上がったら実際に患者さんに履いてもらい、履き心地を確認して調整をしたうえで完成となります。以後は月一回くらいのペースで通院してもらい、必要に応じて調整を行ないます。

オーダーメイドの靴とインソール

靴もインソールも、石膏ギプスやスポンジで型取りをしたうえで、その方の足の形に合わせて作られます。インソールは足裏全体で体重を支えられるように作られた全接触型足底挿板(トータルコンタクトインソール)、靴はインソールが入れられる十分な深さをもった深型靴(エクストラデプスシューズ)が基本となります。
しかし、残念なことに、日本にはペドーシストのような足専門の装具を作る国家資格はなく、足専門の整形外科も数えるほどしかありません。この度、米国式足装具学に基づいたコンセプトのトコトがお茶の水整形外科のあるビルに店舗を出すことになり、より機能的でデザイン性にも優れた靴を処方できるようになりました。みなさまにも今までに体験したことのない履き心地を、体験できるものと思います。

お茶の水整形外科院長 銅冶英雄

足はカラダの土台

足部の衰え・変形で日常生活が困難になる。

足部は一見して単純な形をしているように見えます。しかし、その構造と機能は、実に複雑で繊細な構造をしているのです。
足部は、前足部(中足骨、趾骨)と、中足部(足根骨)、後足部(距骨・踵骨)の三つの部位に大別され、全部で二六個の小さな骨から構成されています。さらに、これらの骨と骨は靭帯(骨と骨をつなぐ丈夫な線維組織)と筋肉で結ばれ、縦方向と横方向に立体的な「アーチ」を形成しています。このアーチがあるおかげで、足部は体重を支え、全身のバランスを保ち、地面からの衝撃を吸収することができるのです。
しかし、近年、足部が知らぬまに衰えてアーチが保てなくなってしまった人が、数多く見られます。扁平足・外反母趾・内反小趾・開帳足・足底筋膜炎はその代表でしょう。変型によって、歩行中に足部の特定の部位に強い圧力がかかれば、その部分の皮膚を保護するための反応として、角質層が厚くなってタコ・ウオノメなどができやすくなります。

そうした足部の変形により、痛みが生じて歩行のバランスが崩れ、ひざ痛や腰痛まで慢性化して日常生活にも支障をきたしてしまう人が、驚くほど多いのです。足腰の衰えが懸念される私たち日本人は、全身の体重を支える土台である足部の衰えや変形に、もっと関心を持つ必要があるでしょう。

足部の構造

足部は、後足部(距骨・踵骨)と、中足部(足根骨)、前足部(中足骨・趾骨)の3つの部位に大別され、全部で26個の小さな骨で構成させれている。これらの骨と骨は靭帯で結ばれ、縦方向と横方向に立体的な「アーチ」を形成している
足部の骨格は、複雑で繊細な構造をしているため、変形や衰えが生じやすく、対策が必要。

足部のアーチが全身を支えている

足部は立ったり歩いたりするときに地面から受ける衝撃をうまく吸収・分散して全身の重みを支えていますが、その中心的な構造となるのが、足部の立体的な三つのアーチです。縦アーチには、母趾球(親指のつけ根)とかかと結ぶ内側縦アーチと、小趾球(小指のつけ根)とかかとを結ぶ外側縦アーチの二つがあります。一方の横アーチは、母趾の根元の中足骨から小趾の根元の中足骨までを結んでいます。これら三つのアーチは、全身の重みを支えて安定を保つとともに、歩くときに地面を蹴ったり着地したりするときの衝撃を和らげる働きを担っています。
また、足裏は接地面がごくわずかであるにもかかわらず、歩いたり立ったりするさいに、全体重がかかります。とくに足部の三つのアーチの支点となる母趾球・小趾球・かかとの三点での支持が重要になります。このように、足部は体の中でも土台として、最も負担がかかる重要な部位だということができます。

足部の3つのアーチと3点支持

脚部には3つの立体的なアーチがある。縦アーチには、母趾球(親指のつけ根)とかかとを結ぶ内側縦アーチと、小趾球(小指のつけ根)とかかとを結ぶ外側アーチの2つがあり、横アーチは母趾と少趾の根もとを結んでいる。これらのアーチは、全身の重みを支えて安定を保つとともに、歩くさいに地面を蹴ったり着地したりするときの衝撃を和らげる働きを担う。また、足部の3つのアーチの支点となる母趾球・少趾球・かかとの3点支持で体を支え、バランスを保っている。

加齢とともにアーチがくずれやすくなる

足部のアーチは、よく橋にたとえられます。古代ローマの水道橋のようなアーチ構造は、上から重くのしかかる力を分散して堅固に支えられるという特徴があります。さらに、足部の三点支持によって、カメラの三脚のような安定感が生まれます。
とはいえ、放っておくと加齢とともに足部のアーチがくずれ、変形する危険があるのです。生まれつきの個人差もありますが、年齢を重ねるにつれて、足部の骨と骨をつないでいる靱帯が伸びたり、すねと土踏まずをつなぐ後脛骨筋が衰えたりして足部のアーチはくずれやすくなります。アーチがくずれた状態が長年にわたると、骨や関節の変形も来たし、元に戻すのが困難になります。
二つの縦アーチのうち加齢とともに失われやすいのは母趾球とかかとを結ぶ内側縦アーチで、アーチがくずれると土踏まずが低い扁平足になるのです。外側のタテアーチはもともとが低いアーチで、加齢による問題をおこすことはあまりありません。
一方、横アーチがくずれると足幅が広くなりますが、これを開帳足といいます。開帳足は外反母趾や内反小趾を引き起こす重大原因となります。縦アーチと横アーチが両方ともくずれて、扁平足と開帳足を併発している人も少なくありません。

タコ・ウオノメ

タコ・ウオノメ

タコは皮膚の角質が厚くなって、硬くなった状態。皮膚に圧力や摩擦が繰り返し加わると、その部位を保護するために角質が厚くなる。ウオノメは中に芯があるものだが、発生するしくみはタコと同じ。

アーチが失われると全身の骨格もゆがむ

足部の衰えや変形が起こったからといって、すぐに自覚症状が現れるわけではありません。強い痛みや歩きにくさなどの日常での不具合が生じないかぎり、ほとんどの人は足部の異常を見過ごしてしまいます。
足の痛みが長年続いていると、歩くときに痛いのは当たり前のことだと思っている人もいますし、足裏のタコもしょうがないとあきらめている人もいます。しかし、痛みというのは、体の警告信号で、決して正常な状態ではないのです。そして解決していくことも可能なのです。
問題は、足部のアーチがくずれたまま立ったり歩いたりすると、歩いたり走ったりするときに足裏から伝わる衝撃が、ひざや股関節、腰、肩、首へとダイレクトに伝わり、全身に偏った力が加わりやすくなるのです。
実際にひざ痛、股関節痛、腰痛、肩こり、首の痛みの患者さんで、自覚的に足の症状を訴えてない患者さんの足部を診察すると、多くの人に何らかの足部の異常が見つかります。
なお、足部のアーチが失われた状態が長年続いて、足部の骨や関節が硬い変形をおこしてしまうと、保存療法(手術以外の治療法)では回復が困難で、手術が必要になることもあります。そのような重症な変形を起こす前に、患者さんの足に合わせてオーダーメイドの靴やインソール(中敷き)を処方し、諸症状の改善に役立ててもらっています。

日常の悪い動作・習慣が足部の変形を招く足部(くるぶしから先の足の部分)の衰えや変形を招く原因はいくつかあります。
首を前に突き出して腰を丸めた猫背姿勢を普段からとっていると、足部にも負担をかけてしまいます。このような悪い立ち姿勢や歩き姿勢は、足部の三点支持に重心のくるいが生じ、足裏に偏った圧力がかかり、アーチがくずれやすくなるのです。
姿勢以外では、糖質のとりすぎとたんぱく質の不足に注意してください。ご飯やパン・メン類などの主食はもちろん、菓子・清涼飲料水・ビールなどで糖質を大量にとりすぎると、余分な血糖によって体内のたんぱく質が糖化(糖が結びついて劣化しコゲつくこと)されやすくなります。また、たんぱく質の不足は、組織の原材料が足りないために、靱帯や腱の再生を妨げます。すると、足部の骨と骨をつなぐ靱帯や筋肉の線維が弱まり、アーチを支えきれなくなってしまうのです。

偏平足

偏平足

内側縦アーチが低くなった足のこと。
歩くと疲れやすく、内くるぶしの後ろや内くるぶしの前方がはれて痛みが出る場合もある。

足部を傷める最大の原因は合わない靴

とはいえ、足部の衰えや変形を招く最大の原因は、合わない靴を履きつづけることです。
本来、私たちは、足を保護する目的で靴を履きます。しかし、特に女性は、ファッションを優先して靴を選ぶ人が少なくありません。例えば、ハイヒールは、足先が細く重心が前にかかるので、足部を傷める靴の典型です。ほかにも、ローファー靴や学校の上履きでみられるバレーシューズは、足を支えられないのでおすすめできません。
おすすめの靴は

  1. 靴の中敷きが取り外せる
  2. 靴のつま先部分で足指が自由に動かせる空間がある
  3. かかと部分が硬くてしっかりと支えられる
  4. 靴の前方部が柔らかく、足指のつけ根が楽に曲げられる
  5. 紐やマジックテープで足を固定できる

という五つの条件を備えた靴です。
ただし、足部の形は人によって千差万別なので、選ぶさいは必ず履いて歩いてみて、あたるところがないかを確認することが大切です。靴が足にあたるようなら負担をかけていることになりますので、履いているうちに革が伸びることを期待してはいけません。本当に適した靴は最初から、履き心地がいいものです。
また、ゆるすぎてもいけません。足にぴったりとフィットして、適度に支えることが必要です。靴を正しく選べば、足部に原因がある足の激痛やひざ痛は改善され、変形も予防できます。合わない靴はもうやめて、合う靴に履き替えることから始めましょう。

足部の衰え・変形を招く3大原因

足部の衰え・変形を招く3大原因

  1. 合わない靴
    ハイヒールや先の細い靴、ローファー靴、学校の上履きにあるバレエシューズは足部を傷める靴の典型。靴の中敷きが取り外せて、爪先部分で足指を自由に動かせ、かかとしっかり支えられ、前方部が軟らかく、ひもなどで足を固定できる靴を選ぶ。
  2. 悪い立ち姿勢
    首を前に突き出して前かがみになったり、安めの姿勢を取って片方の足だけに体重をかけたりしていると、足部の3点支持にくるいが生じ、足裏に偏った負担がかかってアーチがくずれ、足部が変形しやすくなる。
  3. 高糖質・低たんぱくの食事
    糖質をとりすぎると、余分な血糖で体内のたんぱく質が糖化されやすくなり、たんぱく質が不足すると、組織の原材料が足りなくなって靭帯や腱の再生が阻害される。その結果、足部の骨と骨をつなぐ靭帯や筋肉の繊維が弱まり、アーチを支えきれなくなる。